写本と絵画
写本部門に所蔵されている日本コレクションは800タイトルを数え、その多くは版本です。それ以外に240点の写本があり、そのほとんどは文学作品で挿絵が付いています。また、仏教書、辞書類あるいは地理書などもあります。
版画部門に版画と版本に加えて貴重な素描、絵画もあります。
写本部門が所蔵するもっとも古い資料は8世紀の貴重な絵巻で、般若心経の一巻を含んでいます。写本のほとんどは文学で、絵を伴っています。その一部は20世紀初めにオーギュスト・ルズエフの遺贈によりコレクションに入りました。このコレクションはその後20世紀を通して充実していきました。
日本の古書の中でも至宝と呼ぶべきものは『奈良絵本』の数々で、金で加筆・彩色された挿画も多く含まれており、江戸時代の資産家の注文で制作されたと考えられています。オーギュスト・ルズエフのコレクションは絵本において特に豊かです。書の作品としての詩には挿絵も付けられていますし、また、花鳥画の画帖なども含まれています。
写本部門が所蔵する日本の写本には、フランス人の学者とその他のヨーロッパ諸国の日本学者との交流を反映している部分があります。たとえば、出島のオランダ人の生活を描いた画集あるいは医師フィリップ・フランツ・フォン・シーボルトのために制作された北斎工房の作品などがあげられます。